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altnightの音楽用備忘録

Eric Dolphy / Eric Dolphy at the Five Spot Vol.2

Eric Dolphy At The Five Spot, Vol. 2

Eric Dolphy At The Five Spot, Vol. 2



Eric Dolphy And Booker Little At The Five Spot Cafe- Aggression

Number

1. Aggression
2. Like Someone In Love

Member

Eric Dolphybcl & fl)
Booker Little(tp)
Mal Waldron(p)
Richard Davis(b)
Ed Blackwell(ds)

初めて買ったジャズのアルバム、すべての元凶

高校当時吹奏楽部で「自分の楽器の模範演奏を聴こう!」みたいな流れがあった。それで各いろんな楽器の人も探してたけど、バスクラだと音源がない。クラリネットアンサンブルとかもよくわからない。オケだとあるらしいけど聴こえないしわからない。ということで探して見つかったのがはてなのキーワードの Eric Dolphy だったわけだ。で、「Eric Dolphyで」「バスクラのアルバムを」「地元千葉のディスクユニオンであるものを」ってことで探して見つかったのがこれだ。TSUTAYAにはおいてなかったし。いろいろまあひどい話ではあるが、おれがこうして今も音楽にこだわり続けている元凶といえば元凶で、このアルバムにすべてを狂わされたと言ってもいいくらいだ。

Eric Dolphy のなかでもいまだにコーラスがわからない

ジャズスタンダートとかオリジナルでも基本的にはAABAだとかの8x4=32小節を繰り返す「コーラス」という単位があって、この作品のバスクラの Aggression はたしかライナーノーツによると 8-12-8-12 だかららしいし、音を後々とった感じ Bb 系のそこまで複雑なコード進行ではないはずなんだけど、よくわからない。特にこのドルフィーはもうわけがわからない。
純粋な吹奏楽で培養されていた少年がだ、いきなりこのバスクラを聴くんだ。この衝撃がわかるか?「こんな演奏でいいのか!」「というかこんな高音出せないし!」「というかそもそもバスクラの音じゃないし!」「リードミスしてるけど逆にかっこいいし!」このうねり具合はもう半端じゃない。いまだにやっぱりドルフィーは最高過ぎてどうとも言えないのだけど、よりによってこのアルバムのこの曲かよってのがもう。もう。

他の演奏者も曲もいいね

ドルフィーは最高だとして、ブッガー・リトルもイケてるし、ウォルドロンもいい。ベースの人はよく知らない。Ed Blackwell は後にフリー系でもちょくちょく見かけた気がするけど、あんまりわからない(というかいまだにドラマーのプレイングスタイルの違いがあまりわからない、生のセッションだとまだわかるけど)。
Like Someone In Love はいちおうスタンダードではあるはずなんだけど、これもなんだかよくわからない感じだ。スタンダードな演奏をしているような、していないような。そしてドルフィーのフルートはブルースゆずりなのかアタックの強いこれもまたイケている演奏をしていてなんともいえない*1

いま考える Five Spot まわりの評価

ドルフィーはだいたい 60年から64年に活動したのだけど、Five Spot での演奏はたしか61年。ミンガスとやってるのとかコルトレーンと演奏しているのもいいけど、バランスの良い編成でまだ Out To Lunch にいかないまでのなかではバランスの良いアルバムだと思う。まあこれが「バランスの良いアルバム」なんて言っちゃうんだからどんだけだよって話でもあるが、ヨーロッパツアーとかだとあんまりサイドメンに恵まれない感触あるし、バランスの良い編成のバランスの良いいい感じってのがよく出てると思う。Vol 1については、まあ気が向いたら書く。

オチとかないけど

ジャズの、そしてフリー系に導いたすべての元凶。聴きながら書いているけど、やっぱり最高だね。アツい。初めてドルフィーを聴きたい人におすすめするかといったら Far Cry あたりかなぁとおもってるのであれだけど、おれはとにもかくにもここからはいってしまったんだ。おれにとってのジャズはここからはじまったんだ。

*1:このアタックの強いフルートの音を聴いたことも、吹奏楽から気持ちが離れていくきっかけでもあった。こういう演奏ができないクラシックなんて!みたいな