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altnightの音楽用備忘録

John Zorn / News for Lulu

News for Lulu

News for Lulu



KD's Motion -John Zorn, George Lewis, Bill Frisell

Member

John Zorn(as)
George Lewis(tb)
Bill Frisell(g)

Number

1987/8/30
"KD's Motion" (Dorham) - 3:32
"Funk in Deep Freeze" (Mobley) - 4:31
"Melanie" (Redd) - 4:07
"Melody for C" (Clark) - 4:26
"Lotus Blossom" (Dorham) - 4:08
"Eastern Incident" (Clark) - 4:04
"Peckin' Time" (Mobley) - 3:13
"Blues Blues Blues" (Redd) - 4:17
"Blue Minor" take 1 (Clark) - 3:43
"This I Dig of You" (Mobley) - 3:13
"Venita's Dance" (Dorham) - 3:23
"News for Lulu" (Clark) - 4:07
"Ole" (Redd) - 3:47
"Sonny's Crib" (Clark) - 5:22
"Hank's Other Tune" (Mobley) - 3:52
"Blue Minor" take 2 (Clark) - 3:26
"Windmill" (Dorham) - 0:40
"News for Lulu" (Clark) - 4:19
"Funk in Deep Freeze" (Mobley) - 3:29
"Windmill" (Dorham) - 1:03

John Zorn という男

アメリカの誇るユダヤ系フリー/アヴァンギャルドサックスプレイヤー。日本が好きで80年代に長期滞在して多くのミュージシャンとコラボしたりもした。文脈としてはわりとフリージャズ寄りなのだけど、最近は自分のルーツであるユダヤ的な音楽に傾倒しているらしい。個人としての活動はもちろんのこと、Naked City というナンセンスミュージックとコミカルとフリーが混ざったよくわからいバンドであったり、Pain Killer というそうとうパンキーなことをしたり、コブラという即興音楽をゲーム化する試みをしていたり、(Electric) Masada というユダヤ・クレツマーな音楽をしている。かなり多作なのでそこまで全部おいかけれられているわけではないけど、個人的には Electric Masada のユダヤ音階とエレクトリックのパワーでゴリゴリ押してフリーキーにいくあたりが好み。即興音楽ゲームのコブラは少なくても日本ではある程度その界隈では影響がある感じ(直接的にコブラをしていなくても、サインによって即興ルールを変更しながら音楽を完成させるというアプローチは大友良英ダブルオーケストラなどある)。

正当な、だけど茶目っ気のあるバップ

ということでこのアルバム<>なのだけど、これは彼の中でもフリーというよりはかなり正当なジャズでありバップだ。というのも選曲自体もブルーノートの名盤から選んだというし、実際演奏しているこのアルト、トロンボーン、ギターという変則トリオではあるがかなり自然にバップをしている。とてもジャズジャズしい音だ。John Zorn はたしかにフリー系の文脈で語られる人ではあるけど、しかし少なくてもテクニックにおいては確実に50年代移行のハードバップを確実に抑えている。その上で彼なりのフリーキートーンがチョロっと漏れるあたりがかわいらしい。すごく愛嬌のあるアルバムだ。
どの曲がいいとかはあんまりなくて、どれもほんとうに素直に50年代のベスト盤をかけている感覚なのであんまりない。有名なところでは Sony Clark の << Cool Stratin' >> に収録されている「Blue Minor」とかなのかなぁ。

オチとかないけど

John Zorn のなかでも茶目っ気のある正統派バップ。個人的にはジャズ研にはいるC年なんかにあまり古典的なのばかり勧めるのもあれだけどフリー系は無理って人にちょうどいいかなぁとか思ってる。ある友人はこのアルバムを評して「女子力が高いですね!!!!」といっていたが、まあそれはおいといて。
ちなみになんか Amazon ではもう1万とか高値でツラい感じですね。自分は御茶ノ水 Janis で借りました。Janis で育ったので。